帽子の色


あるクラスで、担任の先生がクイズを出した。

「ここに4つの帽子がある。このうちの2つは赤い帽子で、残りの2つは白い帽子だ。ただ残念なことに、こうやってかぶってしまうと、当たり前だけど、自分がかぶっている帽子の色が分からなくなるんだ。で、今から誰か4人にこの帽子をかぶってもらうから、自分のかぶっている帽子の色を当ててほしいんだ」

「先生、自分のかぶっている帽子の色は分からないんですね」

「そうだ、先生が4人に直接かぶせるから、かぶらされた本人にはわかりっこない」

「でも、かぶらされた人は、残りの3人の帽子の色は見えますよね」

「そうだね」

「赤が2つ、白が2つと決まっているのなら、自分の帽子の色くらいすぐに分かりますよ」

「まあ、その通りだ。だから、条件を付ける。今から言う条件のもとで、4人のうち誰か1人でも、当てずっぽうでなく自分の帽子の色を言い当てることができたら、ご褒美をあげよう」

「よ〜し。でも、どんな条件ですか?」

「条件を言う前に、誰か4人、挑戦者はいないのか?」

というと、A、B、C、Dの4人が名乗りを上げた。

「で、どんな条件なんですか?」

「A君には別室に行ってもらう。そこで先生が帽子をかぶせるよ」

「えっ、1人きり?」

「そうだよ」

「じゃあ、僕にはわかりっこないよ」

「そう思うかい? まあいい。とにかく隣の部屋で待っていてくれ」

「じゃあ、先に行ってます」

「さて、残りの3人だが、君たちには階段に順に立ってもらう。そうそう、そんな感じだ。階段の下方向を向いておくんだぞ。こうすれば、D君にはB君、C君がかぶっている帽子の色は分かるよね。でも、B君やC君には、上の人が何色の帽子をかぶっているのかはわからない」

「当然ですよ」

  別室  |   ←の方向を向いている
      |
       |              D_
      |        |
      |        C_|
      |       |
   A  |    B_|

「この状況の中で、先生が今からこの4つの帽子を君たちにかぶせていくよ。さっきも言ったけど、もし、4人の中で1人でも自分の帽子の色が分かれば、全員にご褒美だ」

と、先生は、4人の生徒に帽子をかぶせていった。もちろん、4人以外のクラスの生徒にはその様子が見えている。先生は以下のように帽子をかぶせたのだった。

  別室  |   ←の方向を向いている
      |
      |        △
       |              D_
      |      ▲  |
      |        C_|
   ▲  |     △ |       ▲……赤
   A  |    B_|       △……白

「さあ、自分の帽子の色が確実に分かったら、静かに手をあげてくれ」

この4人は、クラスでも成績のトップクラスの生徒ばかりだったのですが、なかなか自分の帽子の色が分かりません。うなるばかりです。ところが、しばらく時間が経つと、

「先生、分かりましたよ」

と、1人がニコニコしながら手をあげたのです。


さて、ここでやっと問題です。手をあげたのは誰でしょう?












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